「真夏の千両役者」

金子　秀樹 様41歳 （神奈川県川崎市）

有楽町にある交通会館のデッキが、新幹線の絶好の撮影場所となっています。ドクターイエローが東京駅に到着し、車両基地に帰って行く時をファンの方が待っていたのでしょうか。それを一般の方も聞き付けて、多くの方が集まった様子を撮影したようです。被写体が面白いですね。車輌だけではなく周りの人を入れて、現在という時代を感じさせているところに興味を引かれました。列車が真横に走っているだけなのに、作品全体からはもっと大きな動きが感じ取れる。そこがこの作品の魅力です。

「スーパーひたち（651系）」

山田　和博 様41歳 （埼玉県狭山市）

スピード感あふれる列車の連結部分を大胆に写し撮った作品です。多分、夕日なのでしょう。このように"ギラッ"と車体に光が反射した瞬間を捕まえたいと狙う写真ファンは結構多いのです。この作品はそんな写真の中でも群を抜いて素晴らしい作品でした。連結面をダイナミックに捉えて、車輌を画面いっぱいに写し込み、周りは黒いトーンに落としている。そして何よりも、スピード感を打ち出した表現技法に大変優れた作品だと思いました。準大賞にふさわしい作品です。

「東京駅の夕暮れ」

長　吉秀 様63歳 （福岡県福岡市）

東京駅を丸の内側から撮った写真です。この場所からの写真は暖かい雰囲気で撮る方が多いのですが、この作品は非常にクールに仕上げています。作者は福岡の方です。いつかは大東京・新幹線のターミナルをバッチリ撮りたいと思っていたのでしょう。広角レンズを使用しているのですが、しっかりとカメラを固定して、絞り込んで撮影しています。このような場合、ピントが甘くなることが多いのですが、キッチリと撮影している。きっと作者は律儀な方なのだと推察します。