2026.10.08
タムロン20-40mm F2.8 (Model A062) ニコン Z マウント用レビュー: フォトグラファー 鎌田 風花氏が撮る、日常の美しい風景写真
タムロン20-40mm F2.8 (Model A062) ニコン Z マウント用レビュー: フォトグラファー 鎌田 風花氏が撮る、日常の美しい風景写真
こんにちは、フォトグラファーの鎌田 風花です。何気ない日常の風景に惹かれ、光や空気感を大切にしながら日々撮影をしています。
タムロン20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062) ニコンZマウント用がついに登場しました。普段は40mmから50mmの単焦点レンズを使うことが多いのですが、超広角20mmから始まる標準ズームレンズということで、ファインダーを覗いたときに単焦点では気づけない視野の広がりがあり、気づけばいつもより多くシャッターを切っていました。
一般的な24mmスタートの標準ズームレンズより一歩広い20mmから、標準域の40mmまで。このユニークな焦点距離は、距離を取りづらい室内からボケ感を活かした花、何気ないスナップまで、レンズを交換することなく撮りたい瞬間を逃しません。
1枚目の写真 20mm F6.3 1/160sec ISO 100 Camera: Nikon Z5II
夕方のやわらかな光を捉え、空から草の質感まで緻密に描写してくれました。光量が少ないシーンですが、フォーカスは迷うことなく人物に合いました。20mmの画角だからこそ、広がりと静けさが1枚に収まります。人物と空のサイズ感や風になびく服から、風景の中に物語が生まれたように感じています。
F2.8通しで質量380g。初めて手に持ったときに「軽い」と口にしてしまうほどでした。猫じゃらしを持ちながら、片手でシャッターを切っています。レンズが軽量だからこそできる、遊びながらの撮影です。おもちゃに夢中になっている瞬間や予測しづらい猫の瞳にも、AFは瞬時に反応しました。軽さと速さ、このふたつが備わっているからこそ、迫力のある1枚が撮れました。
特徴のある円形の建築を20mmで撮影しました。超広角ならではの遠近感が、建物の曲線と奥行きを印象的に引き立てます。建築を写すときは空間のスケール感を1枚に収められる超広角が力を発揮します。中央に人物を配置することで、建物の大きさと広がりをより際立たせました。
足元に広がる桜の花びらと木漏れ日を、目で見た印象に近い焦点距離を選んで撮影しました。近すぎても遠すぎても変わってしまう空気感を、微調整しながら切り取れるのはズームレンズならではです。単焦点では「もう少し広く」「もう少し狭く」と感じる場面も、このレンズならイメージに近い画角に合わせることができます。
縦位置で切り取った路地の奥に、港の景色が広がります。石畳やレンガの質感までしっかりと描写され、後で見返した時に、その場に立っているような感覚になりました。Z5IIと組み合わせてもコンパクトにまとまり、長時間の街歩きでも疲れにくいです。気づいた瞬間にさっとカメラを構えられる。その小さな余裕が、素敵な風景との出会いを増やしてくれます。
広角端20mm、最短撮影距離0.17mで撮影しました。超広角が含まれるズームレンズと聞くと、ボケにくいのでは・・・?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしこのレンズは、最短撮影距離が非常に短いのが特徴です。被写体に近づくことで、超広角とは思えないほどの大きくなめらかなボケが広がり、小さな花の立体感を表現することができました。
また、解像力の高さも印象的です。被写体の細かな部分、花びら1枚1枚の隅々まで緻密に描写されています。この高い描写性能が、さまざまな場面での撮影を後押ししてくれます。
美しいボケと高い解像力、どちらも1本のレンズで楽しめることが大きな魅力でもあります。
ソファのふちに座っている猫の足元を、あえて表情を見せず、そっと寄り添うように切り取りました。やわらかな白い毛並みと、木目のコントラストが際立ち、はっきりと見せたくない背景はなめらかにボケています。日常のやわらかな空気感ごと写しとってくれたように思います。差し込む光で、表情が見えなくても、そばにいる温もりを表現しました。
レンガの細かな凹凸と、葉脈の1本1本まで手にとるように伝わってくる描写力に驚きました。スナップ撮影の途中でふと目に留まった何気ない風景も、このレンズなら細部まで逃さず写しとってくれる、そんな頼もしさを感じた1枚です。
テーブルフォトを俯瞰で撮影する際も、無理な体勢をとることなくスムーズに構えられました。最短撮影距離の短さとレンズの軽さが、このような場面でも活きてきます。焼き菓子の表面のきめ細かさや、花びらの質感まで丁寧に描写されているのも印象的です。
花壇にカメラを低く構え、広角で見上げるように撮影しました。花が空へと向かって力強く伸びていく様子は、ローアングル×広角ならではの表現です。逆光気味に撮影していますが、収差も感じられず、光に透ける花びらまでクリアに描写されていました。
石畳に落ちた葉っぱの影を主役にして、手前をぼかして撮影しています。大口径F2.8のおかげで、手前のボケがやわらかく広がり、影の形がくっきりと際立ちます。光と影の濃淡が自然に表現されていて、何気ない足元の風景が1枚の作品になりました。
テーブルの足元でくつろいでいた時にふとこちらを見る眼差し。その一瞬を逃さず切り取れたのは、超広角20mmの画角とAFの速さがあってこそです。超広角ならではのダイナミックな遠近感により、猫の表情と室内の空気感を凝縮した1枚に仕上げることができました。撮りたいと思った瞬間に迷わずピントが合う、そんな頼もしさを日常のふとしたシーンで実感できるレンズです。
実は、20-40mmという焦点距離は、使い始める前は少し不安でした。普段は40mm以上の単焦点レンズを愛用しているため、自分に使いこなせるだろうかと思っていたからです。
しかし、実際に使ってみると、その不安はすぐにかき消されました。レンズの描写力と、この焦点距離ならではの面白さに、気づけば惹き込まれていました。特に、20mmだからこそ活きる建築や空間のダイナミックな切り取り、最短撮影距離の短さを活かした大きなボケ表現は、写真と向き合う楽しさを改めて感じさせてくれました。このレンズには、撮影の幅を広げてくれる魅力がいくつも詰まっています。
そして、もうひとつの大きな魅力がそのサイズ感です。F2.8通しでありながらわずか380gというコンパクトさは持ち運びもしやすく、室内でも屋外でも撮りたいと思った瞬間にスッとカメラを構えられる心の余裕をくれます。
日常の風景をいつもより少し広く、美しく切り取ってくれるレンズ。私のように普段あまり広角域で撮らない方にこそ、ぜひ一度手にとってみてほしいです。きっと、新しい表現の扉が開くはずです。
記事で紹介された製品
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。