2026.10.14
タムロン16-50mm F2.8 A (Model B091) ソニー Eマウント用レビュー | 写真家 SHIGEPHOTO氏が撮るシカゴの街スナップ
タムロン16-50mm F2.8 A (Model B091) ソニー Eマウント用レビュー | 写真家 SHIGEPHOTO氏が撮るシカゴの街スナップ
はじめまして。世界一周写真家のSHIGEPHOTOです。「絶景だけが景色じゃない。」をモットーに、世界を旅しながらスナップ写真を中心に活動しています。
さて、バックパッカー旅の最大の悩みは、なんといっても“荷物の量”です。スナップ写真家として世界を旅する中で、カメラ機材に求めるのは、一瞬を逃さない機動力、コンパクトさ、そして描写性能。
今回はAPS-Cサイズミラーレス一眼カメラ対応の標準ズームレンズ、タムロン16-50mm F2.8 A (Model B091)と、Sony α6700のみを持って、アメリカを代表するジャズの街、ニューオリンズとシカゴを切り取ってきました。
F2.8の明るさ、広角端16mmのダイナミックな画角、そしてわずか305gという軽さ。旅するスナップ写真家として非常に魅力的なスペック)です。
この記事では、アメリカで出会った風景とともに、このレンズの魅力をたっぷりお話しします。読み終わる頃には、きっとこのレンズを持って旅に出たくなるはずです。
それでは、いってらっしゃい。
1枚目の写真 50mm F2.8 1/320sec ISO 1000 Camera: Sony α6700
雨の日のシカゴ劇場前にて撮影。F2.8の明るさとボケを活かし、雨の街をシネマティックに切り取りました。シカゴのシンボルを背景のハイライトとして利用する、という贅沢をしてみました。傘のシルエットの細かな階調まで美しく描写されています。
もう宿に戻ろうかと思っていたシカゴの夜。どうしてもこの看板を夜の雰囲気とともに撮りたくて、最後まで粘った1枚。
軽量だからこその取り回しの良さを活かし、通行人に合わせて素早く画角を調整。人通りが少ない中、ちょうどこの2人が通りかかった瞬間に構図を整え、思い描いていた1枚を撮ることができました。
夕方の限られた時間の中で高層ビルの隙間から差し込む光を探し、人が通る瞬間を待って撮影。被写体の輪郭にハイライトが入り、奥の影との境界を際立たせています。
右奥のビルのディテールを残しながら、逆光になった男性の服のシワまでしっかり描写されています。
「探して待つ。」これぞスナップ写真、という1枚。
地上約300mから見下ろした、夕焼けに染まるシカゴの摩天楼。
1871年のシカゴ大火からの復興を経て、「摩天楼発祥の地」とも呼ばれるまでに発展したシカゴ。そんな歴史ある街をドラマティックに収めたくて、日没の時間を狙って撮影しました。
16mmだからこそ、眼下に広がる街を大きく画角に収めることができ、広角端でも隅々まできれいに描写されています。なんだか本当に映画の世界に入り込んだようで、実際にこの景色を見たときは心から感動しました。、ゴーストやフレアも無く撮影できています。
摩天楼の間を流れるシカゴ川と黄色のカヤック。16mmなら多くの要素を入れながら構図を整えられます。カヤックの動きに合わせ、ズームで瞬時に画角を微調整できるのも便利でした。青、黄色、緑の色のコントラストもお気に入りです。
望遠端50mmで、車の上を横切る高架鉄道を撮影。手前の車、高架鉄道、奥のビル群をひとつの画面に凝縮しました。車両の連結部分が中央に来るまで何度も狙った、なんともシカゴらしい1枚です。
シカゴらしいってなんやねん!というツッコミは、そっとしまっておいてください。
実は普段はあまり接写はしないのですが、こちらの16-50mm F2.8は最短撮影距離が広角端0.15m、望遠端0.29m。広角端ではレンズフードがぶつかりそうなほど被写体に寄れるとのことで、せっかくなので街の小物や自分の手元など、普段は撮らないものにも自然とカメラを向けたくなりました。これだけ寄っても狙ったところにしっかりピントが合い、F2.8による背景のボケも美しく、ちょっとした“カメラ遊び”まで楽しめます。
街の散策中にふと見つけたガスランタンの工房。日本ではあまり見かけませんが、ニューオリンズでは、現役のガスランタンが街を優しく照らしています。
工房内では窓から差し込む自然光が、職人さんと乱雑に置かれた部品を柔らかく照らしており、アンティーク調の空間をシックに切り取ることができました。
少し暗い室内でも、F2.8の明るさを活かして自然光の雰囲気を残しながら、職人さんの作業する一瞬を捉えました。
ホットドッグを待っていると、視界の隅に魅力的な女性が。ファインダーを覗く暇もなく感覚で切った、たった1枚です。それでも歩く被写体をしっかり捉え、このレンズの機動力とフォーカス性能を特に実感した1枚です。
奥の男性ではなく、あえて手前の雨粒にフォーカス。
水滴の細かな描写と、その奥に浮かぶガラスに反射した柔らかな玉ボケの組み合わせがなんとも幻想的です。
雨のシカゴならではのクールな1枚です。
雨で濡れた路面が、まるでオレンジ色の絨毯のようになったシカゴの夜。暗いうえに被写体も動く中、F2.8でシャッタースピードを確保。50mmで街の光を凝縮し、その一瞬を切り取りました。まるで映画のワンシーンのような1枚に仕上がりました。
カメラを買ったものの、持ち運ぶのが億劫になり、結局使わなくなる人をよく見かけます。このレンズは、そんなジレンマを解消しながら、自分が表現したいものをしっかり切り取れるレンズだと感じました。
僕自身、この旅では常にカメラを手に街を歩いていました。「撮りたい」と思った瞬間にすぐ構えられる身軽さは、旅では想像以上に大きな魅力です。
アメリカには多種多様な人々が暮らし、スナップ写真家として歩いていると、次々と魅力的な瞬間に出会えます。
僕が切り取りたかったのは、街に散りばめられた「僕らにとっての非日常であり、彼らにとっての日常」。
そんな景色を残すことで、もっといろんな世界を知るきっかけになってくれればと思っています。
そんな僕の思いを、旅をしながら一緒にカタチにしてくれた、タムロンの16-50mm F2.8。旅とスナップの相棒として、非常に魅力的なレンズでした。