レンズのお手入れについて
ご購入いただいたレンズを長くご愛用いただくためには、日常のお手入れはとても大切です。汚れの付着したレンズをそのままにしておくと、カビの原因になることもあります。ここでは、カビの発生原因とレンズのお手入れについてご紹介します。
-
レンズに付着する汚れの種類
きれいに見えるレンズも、日常の撮影や保管環境によってさまざまな汚れが付着しています。
例えば、埃・手垢・汗・唾液・雨水・カビ・花粉などがあげられます。
<「カビ」発生のメカニズム>
寒い屋外から暖かい部屋などにレンズを持ち込んだ際、レンズ内の空気と外気に温度差が生じて、レンズ内部に結露が発生します。逆に、暖かい場所から急に寒い場所に移動した際は、レンズの外側(前玉・後玉の表面)に結露が発生します。
結露などにより細かい水滴がレンズ面に付着したまま時間が経過して、白濁色に曇ってしまった状態を「水ヤケ」といいます。さらにこの水ヤケ状態にホコリや汚れなどが加わってレンズ面を侵し始めた状態を「ヤケ」、さらに細菌繁殖にまで至ったものを「カビ」と区別しています。
水ヤケの状態まで進行してしまったレンズを完全に元のレンズに戻すことはできません。
結露を発生させないために、レンズの周りの温度が急激に変化しないように、ケースやポーチに入れ周囲の温度になじませてからレンズを取り出して使用してください。 -
レンズの保管方法
- 高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管してください。
- 乾燥剤を使用する場合は防湿ケースかポリ袋の中で密閉保管してください。
(有効期限に注意。湿気を吸った乾燥剤は逆効果です。) - 防湿庫に保管する場合は、カメラボディとレンズを別々にして、フィルターなども取り外し、キャップだけ付けた状態にして保管してください。
- しばらく使用しない場合でも、定期的にレンズの着脱、ズームやフォーカスリングを動かしてレンズ内の空気の入れ替えをしましょう。
- 湿度の高い場所…海、冬山(スキー場など)から帰宅後は、ズームを伸ばしてよく乾燥させてから保管しましょう。
- ホコリっぽい場所…運動場、砂浜、砂漠などから帰宅後は、ブロアー等でホコリ等をよく払ってから保管しましょう。
注意が必要な撮影場所 -
レンズのお手入れ方法
ブロアー、レンズクロス、レンズクリーナー液、レンズクリーニングペーパーを使用します。
※ベンジンやシンナーなどの有機溶剤は絶対に使用しないでください。- 1. ブロアーを使って付着したホコリやゴミを払います。
- 2. クリーニングペーパーにレンズクリーナー液を少量しみ込ませて、レンズの中心から外側へ渦巻き状にソフトタッチで拭きあげていきます。
※防汚コートレンズの場合は、クリーナー液は使わずに乾拭きしてください。
- 3. 鏡筒部は、レンズクリーナー液等を使用せず、クリーニングクロスで拭きます。
- 1. ブロアーを使って付着したホコリやゴミを払います。