高解像力と美しいボケ味で定評をいただいているSP 90mmマクロレンズの光学性能を継承し、各種機能を高めた新しい90mmが誕生しました。「VC」機構に新しく追加されたシフトブレ補正機能により、無限遠からマクロ域まで手ブレ補正性能が更に向上され、「USD」の制御ソフトを改善することにより、AFの合焦速度・精度の向上を達成しました。
さらに、今までよりも高いレベルで外部から侵入するチリや水滴を防ぐ防塵防滴構造の採用や、レンズ最前面に耐久性にすぐれた防汚コートを施すなど各種機能を高めました。
そして細部まで緻密に仕上げた新しい外観デザインの採用により、金属鏡筒の高い質感と滑らかな手触りをもつ新しい90mmマクロに生まれ変わりました。
レンズ構成は11群14枚。特殊硝材LD(Low Dispersion : 異常低分散)レンズ1枚とXLD(eXtra Low Dispersion)レンズ2枚を贅沢に使い色収差を良好に補正。また、マクロ領域から遠景まで、あらゆる撮影距離で高い光学性能を実現する「フローティングシステム」を採用。すぐれた解像性能を実現しています。
さらに、eBAND(Extended Bandwidth & Angular-Dependency)コーティングと BBAR(Broad-Band Anti-Reflection)コーティングを組み合わせることで反射防止性能を飛躍的に向上させ、クリアでヌケの良い画像を得ることができます。
タムロンとマクロレンズの歴史
タムロンとマクロレンズの歴史は1979年の初代90mmマクロ『SP AF90mm F/2.5 (Model 52B)』にさかのぼります。当時マクロレンズは文献や細かなデザインの装飾を複写し保存するための学術向きレンズとの印象があり、一般的な被写体の撮影には向かないと考えられていました。
タムロンの初代90mmマクロレンズは記録に耐える緻密な描写力にあわせ、美しいボケ味も得られるという現代のマクロレンズの新たな価値を創造しました。
その結果、当時のマクロレンズの用途からは想像のつかないジャンルでも幅広く使えるレンズとしてプロ・アマチュア問わず評価されました。特にポートレート用途にタムロンの90mmマクロレンズを使用することが支持され「ポートレートマクロ」と名称が認知されていきました。
以降、90mmマクロレンズはその高い解像性能と美しいボケ味を持つレンズとして、タムロンを代表するレンズとなりました。
新しい90mmマクロレンズは画期的なVC機構の搭載などのリニューアルにより、新たな歴史を刻みます。
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BBAR (Broad-Band Anti-Reflection)コーティング ゴースト・フレアの発生を低減するコーティング。
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円形絞り 点光源を撮影した際に写る丸ボケが、開放から2段絞っても真円に近い形状を維持。
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インナーズーム機構 撮影時の重心変化を最小限に抑える機構。
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XLD (eXtra Low Dispersion)レンズ 光の分散性がLDレンズよりもさらに低い特殊ガラス素材。色収差を効果的に除去・補正。
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LD (Low Dispersion: 異常低分散)レンズ 光の分散性が非常に低い性質を利用して、色収差を効果的に除去・補正することができる特殊ガラス素材。
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防汚コート 耐久性にも優れた汚れ防止コーティング。
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手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation) 微細な振動を抑え、安定した画づくりをサポートする独自開発の機構。