2026.02.19
タイムラプスとは?タイムラプス映像に革命が起こる ― TAMRON Lens Utility Ver. 5.0に新搭載された「フォーカスタイムラプス」
タイムラプスとは?タイムラプス映像に革命が起こる ― TAMRON Lens Utility Ver. 5.0に新搭載された「フォーカスタイムラプス」
星空写真家 ・タイムラプスクリエイターの成澤 広幸です。今回は、タムロンのアプリケーションTAMRON Lens UtilityTMのVer. 5.0で追加された新機能「フォーカスタイムラプス」を使用して、タイムラプスを撮影しました。本記事では作例動画を交えながら、使用方法をご紹介します。
*アプリケーション内の操作画面は英語版です。
■タイムラプスとは?
タイムラプスは時間の経過を表現する動画手法。長時間の時間の経過を数秒に圧縮して表現することでダイナミックな映像を表現できます。
基本的な撮影方法は、インターバル撮影した静止画を時系列で並べて動画化するというもの。動画の長回しよりも容量が節約でき、数時間という長い時間や、スローシャッターによる星空の表現も可能になるのが魅力です。
▶タムロンレンズによるタイムラプス
タイムラプスは定点撮影が基本のため、ピント位置は固定であることが基本でした。正確には、タイムラプス撮影を行いながらピント位置を動かす…つまりインターバル撮影で、1枚切れるたびにピント位置が少しずつずれていくという手法はタイムラプス専用機材を使えば実現可能です。しかし、それはレンズにベルトを巻き、SMS (シュート・ムーブ・シュート: カメラが1枚撮影したあとに、スライダーや雲台などの機材をわずかに動かし、再び止まって次の1枚を撮るという動作を繰り返す撮影方式)による撮影動作に連動して、設定した2点のピント位置を徐々に動かしていくというもの。これらの専用機材は販路が限定的で、日本国内では購入することができず、非常に高価なものでした。
タイムラプスクリエイターとして活動する私もその表現に憧れ、深度合成を行うためのフォーカスシフト機能を活用して、似たようなことができないか研究した時期がありましたが、満足のいく結果は得られませんでした。
■業界初*1!「フォーカスタイムラプス」機能の登場
それが、できるようになった!というのがこの記事で紹介する業界初の新機能、TAMRON Lens Utility Ver. 5.0に搭載された「フォーカスタイムラプス*2」です。まさか、TAMRON Lens Utilityでタイムラプス中のフォーカスシフトが実現できるとは…大変驚きました!
*1 2026年1月現在。タムロン調べ。
*2 2026年1月現在、ソニー Eマウントのみ対応しています。
どんな映像が表現できるのか、いくつか作例を紹介します。
▶フォーカスタイムラプス動画①
タムロン16-30mm F2.8 G2 (Model A064) 焦点距離:23mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:50 使用カメラ:Sony α7 IV
フレームレート:30fps 撮影枚数:281枚(内、skip 90枚、move 150枚)、カメラ内インターバル撮影、編集ソフト使用
最初の3秒は遠景の雲にフォーカスがあっています。3.01秒から9秒地点まで手前に徐々にフォーカスがシフトし、花にピントが合い、遠景はボケた状態で映像が終わります。ようするに、動画撮影で言うところの「A-Bフォーカス」のタイムラプス版が「フォーカスタイムラプス」です。
▶フォーカスタイムラプス動画②
タムロン16-30mm F2.8 G2 (Model A064) 焦点距離:30mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:6秒 ISO感度:6400 使用カメラ:Sony α7 IV
フレームレート:30fps 撮影枚数:350枚(内、skip 90枚、move 150枚)、カメラ内インターバル撮影 編集ソフト使用
こちら最初の3秒は手前のワイングラスにピントが合い、3.01秒から9秒地点で徐々に星空へピントが合っていきます。その後は星にピントを合わせたまま数秒動画が続きます。
フォーカスタイムラプスの特徴は、近景・フォーカスシフト・遠景のそれぞれで撮影枚数を指定できることです。今回の作例ですと、星がボケた状態で3秒タイムラプスを見せて、フォーカスシフト終了後もしばらく星空タイムラプスを見せたかった、というような凝った演出が可能になるのが本機能です。
今回は、16-30mm F2.8 G2というレンズを使用しましたが、F2.8のボケとタムロンの特徴でもある高い近接撮影能力があってこそ本機能の魅力が発揮されます。表現方法と手軽さにおいて、タイムラプス表現に革命が起こったと言っても過言ではないでしょう。業界初!他社にはできない表現なのは間違いありません。
この時に撮影したタイムラプスはこちら
▶フォーカスタイムラプス動画③
タムロン16-30mm F2.8 G2 (Model A064) 焦点距離:16mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:0.8秒 ISO感度:50 使用カメラ:Sony α7 IV
フレームレート:30fps 撮影枚数:350枚(内、skip 90枚、move 150枚)、カメラ内インターバル撮影 NDフィルター使用 編集ソフト使用
■フォーカスタイムラプスの使用方法
それでは、どのように使用するのか簡単にご説明いたします。
①アプリケーションの起動
本機能に対応したレンズとスマートフォンを接続し、TAMRON Lens Utilityを起動。設定項目からフォーカスタイムラプスを選択します。
三脚固定での使用もできますが、本機能を最も活かせるのはスライダーやローテイターなどのモーション機器と連動した場合でしょう。
▶フォーカスタイムラプス動画②
タムロン28-300mm F4-7.1 (Model A074) 焦点距離:33mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:50 使用カメラ:Sony α7 IV
フレームレート:30fps 撮影枚数:350枚(内、skip 90枚、move 150枚)、カメラ内インターバル撮影 編集ソフト使用
モーション機器を使用することで、ピントが外れている部分を映像に映らないように調整したり、逆にピントが動く効果を強調したりすることができます。これが非常に楽しい。
三脚固定の場合はカメラ内インターバル撮影機能を使用しますが、モーション機器を使用する場合は、モーション機器とカメラを専用レリーズで接続し、モーション機器側から撮影開始します。
■タイムラプス表現にフォーカスタイムラプスを取り入れて感じたこと
この機能は、タイムラプス映像の中心となるものではありませんが、作品に変化を加えたい時や、いつもと違った表現をしたい時に、新鮮な魅力を生み出してくれる表現手法として役立つでしょう。また、動画の冒頭やエンドに、テーマ性を打ち出す映像表現としても活用できると思います。タイムラプスを楽しんでいる人なら、ぜひともお試しいただきたい機能です。
使用方法についてはこちらの動画もご覧ください。
※28-75mm F2.8 G2 (Model A063) ニコン Z マウント用、35-150mm F2-2.8 (Model A058) ソニー Eマウント用:TAMRON Lens Utility Ver. 5.0に対応するレンズファームウェアは、2026年春頃にリリース予定です。
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TAMRON Lens Utility
TAMRON Lens Utility™は、専用機器を使わずに、スマートフォンやPCからタムロンレンズの機能をカスタマイズできるアプリケーションです。動画・写真撮影のための実用的な機能をレンズに割り当て、直感的で簡単な操作が可能。より充実した撮影をサポートします。
Hiroyuki Narisawa 成澤 広幸
1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。埼玉県在住。 星空写真家・タイムラプスクリエイター・YouTuber。公益社団法人日本写真家協会(JPS)正会員。富士フイルム・アカデミーX講師、ニコンNPS会員。全国各地のカメラ専門店・量販店で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで連載を担当。 星空写真全般(星景・天体)と、幅広い被写体のタイムラプスを撮影。特に「Holy Grail」と呼ばれる夕焼け〜星空〜朝焼けのタイムラプス表現を得意とする。 写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしての活動を本格的にスタート。さまざまな情報発信に努めている。
記事で紹介された製品
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16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 a064(Model )
16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A064)は、市場で好評を得た17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)が進化し、第2世代「G2」モデル。ズーム倍率を拡大しながらも、軽量・コンパクトな設計を維持し、高画質を実現しました。さらに、AF性能を向上させるとともに、最新のレンズデザインにアップデートし、操作性を高めています。また、レンズに動画・写真撮影用の実用的な機能を割り当てられるTAMRON Lens Utility™にも対応。初代の機動力と実用性を継承しながら、広角撮影の可能性をさらに拡げた16-30mm F2.8 G2。超広角ならではの表現を存分にお楽しみいただける一本です。