資源循環社会への取り組み
資源循環社会の実現に向けて
限りある資源を枯渇させず、持続可能な社会を創造していくためには、少ない資源やエネルギーでものづくりを行い、廃棄物を少なくし、資源を再利用する「循環型社会」の実現が求められます。
タムロンでは、原材料からの廃棄物の削減(Reduce)や、繰り返し利用できる材料や水の再利用(Reuse)、再度材料として使用(Recycle)の3Rを重視し、資源を効率的に循環させるための取り組みを行っています。
マテリアルバランス
タムロンには、設計、試作、金型製造、プラスチック部品の成形を行う埼玉県本社内の工場、レンズ製造、製品の組み立てを行う青森工場があります。加えて中国仏山工場、ベトナム工場でレンズなどの部品の製造・組み立てを行い生産しています。
当社の開発・設計・生産段階では電力、重油、軽油などのエネルギーが使用され、CO2が排出されています。また青森工場(浪岡)、中国仏山工場およびベトナム工場ではレンズを製造しており、ガラス材を研磨し洗浄するため水を使用していることも特徴です。本社工場、中国仏山工場、ベトナム工場ではレンズの周辺部品などに使われるプラスチック部品を製造しているため、そのランナー材(※1)などが廃棄物となっています。部品・製品の工場間の輸送には主に航空機、船、トラックが使われ、ガソリン・軽油などの使用によりCO2が排出されています。
(※1)プラスチック製造のための樹脂を流し込む流路に発生する端材。
INPUT | タムロン | OUTPUT | ||||||
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単位 | 単位 | |||||||
金属 | 6,078 | t |
原材料・部品調達 |
CO2 排出量 |
182,509 | t-CO2 | ||
ガラス | 19,819 | t | ||||||
プラスチック | 3,744 | t | ||||||
樹脂 | 1,789 | t | ||||||
紙 | 386 | t | ||||||
化学品 | 1,148 | t | ||||||
ダンボール | 673 | t | ||||||
エネルギー | 706,000 | GJ |
開発・設計・生産 |
CO2 排出量 |
38,881 | t-CO2 | ||
電力 | 78,238 | 千 kWh |
電力 | 38,176 | t-CO2 | |||
重油 | 190 | kℓ | 重油 | 515 | t-CO2 | |||
灯油 | 7 | kℓ | 灯油 | 18 | t-CO2 | |||
軽油 | 5 | kℓ | 軽油 | 14 | t-CO2 | |||
ガソリン | 1 | kℓ | ガソリン | 3 | t-CO2 | |||
LPG | 4 | 千㎥ | LPG | 24 | t-CO2 | |||
天然ガス | 59 | 千㎥ | 天然ガス | 131 | t-CO2 | |||
水 | 776 | 千㎥ | 排水 | 488 | 千㎥ | |||
上水 | 605 | 千㎥ | 製品合計 | 930 | t | |||
地下水 | 170 | 千㎥ | ||||||
雨水 | 1 | 千㎥ | ||||||
再利用・再生利用水 | 13 | 千㎥ | 廃棄物発生発生量 | 2,090 | t | |||
化学物質取扱量 | 9 | t | 産業廃棄物(※2) | 1,660 | t | |||
一般廃棄物 | 430 | t | ||||||
廃棄物リサイクル量 | 1,127 | t | ||||||
プラスチック(※3) | 285 | t | ||||||
ダンボール | 204 | t | ||||||
一般廃棄物 | 74 | t | ||||||
廃液 | 208 | t | ||||||
廃油 | 42 | t | ||||||
金属 | 243 | t | ||||||
紙 | 30 | t | ||||||
研磨汚泥 | 12 | t | ||||||
その他 | 29 | t | ||||||
エネルギー(※1) | 177 | kℓ |
物流・輸送 |
CO2 排出量 |
452 | t-CO2 | ||
軽油 | 156 | kℓ | 軽油 | 402 | t-CO2 | |||
ガソリン | 21 | kℓ | ガソリン | 50 | t-CO2 | |||
電力 | 2,632 | 千kWh |
使用 |
CO2 排出量 |
180 | t-CO2 |
対象範囲:本社(営業所含む)・青森工場・中国仏山工場・ベトナム工場
対象範囲カバー率:95%
参考ガイドライン:環境省「温室効果ガス算定報告マニュアルver.4.8」
(※1)輸送時のデータは、国内・ベトナム工場の製品・部品の陸上輸送分と出張所を含む営業車使用分を対象としています。中国仏山工場は社用車の使用のみ対象としています。
(※2)産業廃棄物にはPRTR物質 キシレン1.5tとエチルベンゼン1.4tの移動量を含みます。また、PRTR物質 キシレン1.6tとエチルベンゼン1.5t、メチルナフタレン0.0063tを大気へ排出しています。
(※3)プラスチックのリサイクルの内訳はサーマル124t、マテリアル160tとなっています。
廃棄物の削減
2022年の廃棄物量は前年比5%増となり、国内の産業廃棄物リサイクル率は99.3%となりました。廃棄物量は、国内で32%増加、海外工場で3%減少しました。国内廃棄物の増加は、青森工場内で改修やレイアウト整理を行った際に、木製コンテナや木枠、金属類等の廃棄が一時的に発生したことが主な原因です。
廃棄物発生量のグラフ

水銀使用製品の廃棄について
「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」(水銀汚染防止法:平成27年6月19日公布)により、水銀使用製品の事業者には、使用済み製品を適正に分別、廃棄するための情報を提供することが求められています。タムロンでは、一部の製品に含まれる水銀を適切に分別、廃棄するための情報を、ウェブページでお知らせしています。以下をご覧の上、該当する製品をお持ちの方は、廃棄する場合、案内に沿って処理していただきますようお願いいたします。
水銀使用製品の廃棄に関するご案内環境配慮型設計(DfE)の推進
タムロンでは3R(Reduce, Reuse, Recycle)の観点から、環境に配慮した製品を作り出しています。製品開発の設計検証の段階で、製品の長寿命化(長期使用化・修理容易化)、省資源化(減量化・減容化・部品点数削減・再生材の有効活用・解体容易性)、省エネルギー化(使用時・生産時の省電力)の達成度を評価し、製品化しています。環境配慮され、当社の自主基準を満たした製品は、「タムロンエコラベル製品」として認定されています。認定された製品についてはこちらをご覧下さい。
有害化学物質の代替と削減
タムロンでは、RoHS指令やREACH規則等、製品への含有化学物質を制限する法規制を遵守する為、管理基準である「環境関連物質管理規定」を制定し、それに基づく有害物質の管理、混入防止を確実に行うよう、環境品質保証体制を構築しています。また、万が一、有害化学物質が混入された場合を考え、XRF(蛍光X線分析装置)、ICP-AES(高周波プラズマ発光分光装置)、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析計)といった測定機器を揃え、部品・原材料および製品中の鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、臭素系難燃剤(PBB、PBDE)、フタル酸エステル4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)の含有状況をチェックしています。
今後も世界各国の有害化学物質規制を順守する体制を維持し、人や環境に配慮したお客様に安心してご使用頂ける商品の提供を目指します。
プラスチックリサイクルの実現
タムロンの廃プラスチック量は年間285t を超えるため、ランナー材の活用が課題となっています。そのため廃プラスチックのランナー材(※1)を100%使用したリサイクル材で、自社製品の一眼レフカメラ用交換レンズのリアキャップを製造し、製造工程から出た廃棄物を減らしています。2010~2022年度までの累計で、使用したリサイクル材は196.7t(894万個分)になりました。
さらに、製品の機能を妨げずに品質を確保しつつ、廃棄量を減らす方法としてリサイクル材にバージン材を混ぜた「プレコンシューマー・クローズドリサイクル」を導入しました。2017 年度から、一眼レフカメラ用交換レンズの部品「フィルターネジ枠」にこのリサイクル材を活用して、量産を開始しました。今後もリサイクル材導入部品の拡大や新たなテーマを検討し、廃棄物削減およびリサイクルを推進していきます。
(※1)プラスチック製造のための樹脂を流し込む流路に発生する端材

<リサイクルの流れ>
